会長

大会長挨拶

 第19回 公益社団法人日本顎顔面インプラント学会総会・学術大会ならびに第14回Pan Pacific Implant Society学術集会を開催にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。まずは大会会長の機会を与えてくださいました瀬戸晥一理事長をはじめ、本学会会員のみなさまに心より感謝を申し上げます。また、この横須賀の地で学会を開催できますことを誇りに思います。

  この度の学会テーマは、「これからの病診連携を考える- 一般診療所と病院が協力してできること -」 といたしました。
 近年、インプラント治療は、歯科理工学や歯科材料学の発展に伴い、高い成功率を上げることができるようになりました。 しかし一方で、インプラント治療を受ける患者の年齢は高くなり、様々な疾患を抱えた所謂有病者が多くなりました。

  このような患者背景のもと安心安全な治療を行うためには、各々の専門領域の先生達の協力が必要となります。一般診療所と病院歯科、あるいは歯科と医科の協力態勢なくしては、口腔顎顔面のインプラント治療は上手くいきません。 われわれが扱う口腔顎顔面のインプラント治療は、欠損補綴のみならず、口腔がんや顎顔面外傷、あるいはその他の原因で口腔機能を失った様々の患者さんを対象としています。最近マスメディアを賑わす歯科に係わる事件で多いのは、インプラント関連の医療過誤あるいは医療事故です。

 そこで今回は、超高齢社会の患者さんのインプラント治療に対し、病診連携あるいは診診連携を再考し、インプラント診療時の注意点あるいは起こりうる問題の解決法を見出す目的で、シンポジウム「これからの病診連携を考える―病診連携・診診連携― 」を企画しました。

 特別講演は、「臨床応用を目指した歯科再生医療」と題して、東京女子医科大学先端生命医科学研究所教授の岩田隆紀先生にお願いしました。教育講演は、「安心・安全なインプラント治療のための正しい口腔解剖学」と題して神奈川歯科大学解剖学講座の高橋常男先生と慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科の國弘幸伸先生にお話しいただきます。また, 招聘講演には、「健康社会への貢献 -日本の近代医療の原点を辿る-」と題して、学校法人北里研究所の北里一郎先生に明治期の西洋医学黎明期から現在までの日本の近代医療についてお話いただきます。

 今回の学会総会・学術大会は2年毎に行うPan Pacific Implant Society (PPIS) との共催です。アジアの国々からの多くの参加者を期待する次第です。また、昨年好評だったイングリッシュセッションを設け、英語発表によるプレゼンテーションコンペティションもプログラムに組み入れております。

みなさまのご参加を心よりお待ち申し上げます.